
今回は、注文住宅やリフォームで導入されることのある「スキップフロア」についてご紹介させていただきます。スキップフロアの導入には利点が多いのですが、短所もあるため導入は慎重に検討しなければなりません。スキップフロアのメリットやデメリット、スキップフロアを取り入れた間取りで失敗しないためのポイントをご紹介していきますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。

スキップフロアとは、階層をずらしてつくる空間のことで、中2階と呼ばれることもあります。階段の途中からアクセスでき、リビングに隣接していることが多いです。高さも様々で、1階とつながりを感じられる数段上がっただけの低い位置につくる場合もあれば、2階に寄せた高い位置に設計するケースもあります。

スキップフロアを導入する際は、一般的に以下の住宅構造が採用されます。
●半地下・・・空間の下方向の一部が地盤より下に位置する構造のこと。建築基準法上は、地下室と同じ「地階」に分類される。
●中二階(ちゅうにかい)・・・1階と2階の間のスペースのこと。ある程度の広さを確保した踊り場のような構造を指す。
●ロフト・・・屋根裏部屋のこと。ハシゴや階段を設置し行き来する。
スキップフロアの高さや面積は住宅によってさまざまです。適した間取りや希望に応じて調整ができます。
スキップフロアを選ぶことで、例えば以下のようなスペースを実現できます。
●スキップフロアリビング・・・1階と2階にスキップフロアを設け、家具を設置すればくつろぎスペースとして活用できる。
●小上がり・・・共有スペースにスキップフロアを設けた設備。客間や寝室・おもてなしスペースに利用できる。畳を敷いて和室スペースにすることもある。
●ダウンフロア・・・メインの空間から一段下げたスペース。ダウンフロアをリビングにするなどの活用法がある。
スキップフロアの広さや高さには、各自治体で制限が設けられています。高さ1.4メートル以内、かつ直下の床面積の2分1以内が上限とされることが一般的です。この範囲内であれば、固定資産税などの課税額を決定する際の基準となる「延床面積」には含まれません。基準をオーバーする場合、直下の階の一部として扱われます。
スキップフロアを取り入れた間取りにすると、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
スキップフロアは壁や扉で完全に仕切るのではなく、腰壁や手すりなどで仕切ります。その結果、視線が通り実際の空間よりも広く感じられます。あえて2.5階部分をつくらずにスキップフロアの上部を吹抜けにすると、より明るく開放的な空間にすることができます。
スキップフロアを設ける際は縦の空間を有効に活用できることが大きな魅力です。例えば、スキップフロアの下を半地下収納として、タイヤなどをしまう外部物入に活用できます。また、2.5階部分をファミリークローゼットになど、あると嬉しいプラスアルファの空間をつくることができます。特に狭い敷地での設計には効果的ですよ。
スキップフロアは空間が緩やかに繋がっているので、スキップフロアで宿題中の子どもをキッチンから確認できるなど、家族の様子を感じることができます。お互いの気配は感じつつも、目線の高さが違うので作業に集中できそうですね。
スキップフロアのデメリットについても理解しておきましょう。デメリットを理解しておくことで、回遊動線の良さを生かしつつ、トータルで暮らしやすい住まいをつくれます。
スキップフロアは、なるべく段差を無くすバリアフリーとはかけ離れるの住宅設備です。そのため、老後まで長く住む場合や高齢の家族がいるときは、負担になる可能性があります。
車イスでの通行が困難になる、段差につまずいて転ぶなど、高齢者に優しいとはいえないのが難点です。また、小さな子どもがいる家庭では、スキップフロアからの転落リスクも無視できません。
子どもや高齢者の使用が心配であれば、その点も合わせて設計事務所に相談してみてください。将来的なリフォームを見越して、工事に対応しやすい形で設置できるよう間取りや構造の提案を受けられることもあります。
新築の際にスキップフロアを建築するケースでは、スキップフロアのない家と比べると、どうしても建築コストは高くなります。段差や階段が増える分、構造が複雑化するためです。
また、スキップフロアと階下のスペースにそれぞれコンセントを設置する場合は、電気の配線が複雑化する分、工事費が高くなることもあります。
素材にこだわりハイグレードの建材を採用するケースでは、その分も費用増加の原因になります。コストは高くなりやすいため、事前に見積もりを取り、施工内容を慎重に検討しましょう。
スキップフロアの導入を検討していても、どのような形が家族に合うのか具体的にイメージするのは難しいものです。そこで、スキップフロアを検討する際参考になる実際の建築実例を紹介します。
スキップフロア部分がリビング収納として使える例

カウンターを設けてワークスペースとした例
子どもの宿題スペースや家族みんなが使うパソコンスペースとして活用できます。家族の様子を見ながら作業できそうです。
今回は、注文住宅の人気のデザイン「スキップフロア」についてご紹介させていただきました。スキップフロアは、縦方向の空間を有効活用できるなど、メリットの多い構造です。段差を利用したデザインは、家の中を緩やかに仕切り、空間に彩りを与えてくれます。一方で、コスト面や段差の増加による老後の負担などの注意点もあります。住んでみてから不便な思いをしないように、メリット・デメリットを整理してご検討されることをおすすめします。ヒラヤマホームのモデルハウスでも、実際にスキップフロアを見ることができますので、ご興味のある方はぜひお声がけくださいね!